今朝、ガソリンスタンドの電光掲示板を見て二度見した人は多いはずだ。3月18日、NHKが報じたところによると、レギュラーガソリンの小売価格が1リットル190.8円に達し、現在の調査方法で過去最高を記録した。つい半年前は160円台だったことを思うと、異常な上がり方だ。原因は明白で、ホルムズ海峡の危機がそのまま日本の燃料価格に跳ね返っている。
ホルムズ海峡とは何か、改めて確認しておきたい。ペルシャ湾の出口にある幅33kmの海峡で、世界の石油輸送量の約2割がここを通る。日本にとってはさらに深刻で、輸入原油の約9割が中東産だ。2月末の米・イスラエルによるイラン攻撃以降、イランはこの海峡の通航を制限している。友好国の船は通すが、それ以外は止める。日本の海運大手3社は3月1日時点でホルムズ海峡の航行を停止した。つまり日本への石油の大動脈が細くなっている。
190円のガソリンは、あなたの生活の何を変えるか。計算してみよう。月に50リットル給油する人なら、半年前(160円台)と比べて月1,500円、年間18,000円の負担増だ。しかしガソリン代だけの話ではない。物流コストが上がれば、スーパーの食品も、Amazonの送料も、宅配ピザの値段も上がる。高市首相は「200円台を超える可能性がある」と認めたうえで「170円台に抑えたい」と表明し、石油備蓄の放出を決めた。だが備蓄放出は一時的な対症療法であり、ホルムズ海峡が正常化しない限り根本解決にはならない。
今日のもうひとつの注目は、FOMCとパウエル議長の会見だ。日本時間の明日未明、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を据え置くか利下げするかを発表する。原油高はアメリカでもインフレを再燃させており、FRBが「年内利下げなし」を示唆すれば、ドル高・円安がさらに進む可能性がある。円安は輸入物価をさらに押し上げるから、ガソリン価格の上昇に拍車がかかる。ドル円が160円に向かう展開になれば、ガソリン200円台は冗談ではなくなる。
トランプ大統領はホルムズ海峡を「同盟の試金石」と呼んだ。日本に対して、自衛隊の派遣を間接的に要請しているとも読める発言だ。高市首相は「法的に何ができるか精力的に検討」と述べたが、国民民主の玉木代表は「自衛隊派遣は困難」との見解を示した。日本は憲法上の制約があるうえ、イランとの独自の外交パイプも維持したい。このバランスをどう取るかが、今後数週間の最大の外交課題になる。
結局、私たちにできることは限られている。だがひとつ言えるのは、ガソリン価格の推移は中東情勢のバロメーターだということだ。190円が200円になるか、170円に戻るかは、ホルムズ海峡の通航がいつ正常化するかにかかっている。明日のFOMC結果とパウエル議長の会見、そしてイランの動向。この3つを追っておけば、来月のガソリン代がどうなるか、おおよその見当がつく。
出典:NHK


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