ドバイの「輝かしいイメージ」が揺らいでいる?でも正直、そう簡単には崩れないと思う

ドバイの「輝かしいイメージ」が揺らいでいる?でも正直、そう簡単には崩れないと思う 世界情勢

ドバイの光と影、改めて注目される。最近、BBCがこんな記事を出していた。「ドバイの輝かしいイメージは脅威にさらされているのか?」というタイトルで、これまで海外移住者や観光客、インフルエンサーたちの「夢の目的地」として機能してきたドバイが、今その神話に揺らぎが生じているという内容だ。読んでみると、正直「ああ、そりゃそうなるよな」という部分と、「でもそう簡単には終わらない」という部分が混在していて、単純に「ドバイ終わった」とは言えない複雑な話だった。

安全で豊かな楽園、そのイメージの亀裂。記事の核心をざっくり言うと、ドバイはこれまで「税金が低い」「安全」「インフラが世界最高水準」「どんな人種・国籍でも稼げる」という圧倒的なブランドイメージで世界中から人を集めてきた。特にコロナ禍以降、ロックダウンを早期解除して観光客や富裕層ノマドを積極的に受け入れたことで、その勢いはさらに加速した。ところが最近、ドバイが「完璧な楽園」ではないことが少しずつ可視化されてきた。物価の高騰、住宅コストの上昇、ビザ規制の変化、そして一部の外国人が現地の法律や文化的規範に違反して問題になるケースが増えている。SNSでの過剰な演出と現実のギャップも指摘されている。

砂漠の都市国家が世界を引きつけた理由。ドバイがここまでの存在になった背景には、1970年代以降の石油収入を元手にした国家的な都市開発戦略がある。アラブ首長国連邦の一部でありながら、ドバイはとりわけ「脱石油」の多角化戦略を早くから推進し、観光・金融・物流のハブとして自らを再定義してきた。ここが正直すごいと思う部分で、産油国が石油に依存し続ける中、ドバイだけは「石油がなくても食える都市」を本気でつくりに行った。世界最大のモール、世界一高いビル、人工島……あれだけの投資を砂漠の中でやり遂げたのは、単なる見栄ではなく、生き残りをかけた国家戦略だった。一方で、その繁栄を支えているのが「外国人労働者」という構造的な問題も同時に存在する。建設現場で働く南アジア系の出稼ぎ労働者の待遇問題は、長年国際社会から批判を受けてきた。光が強ければ影も濃い、というのはどこの国も同じだが、ドバイの場合はその落差が極端に大きい。

SNSでも議論が沸騰中。X(旧Twitter)で「Dubai glossy image」と検索すると、英語圏のユーザーを中心に「ドバイはもう昔の輝きを失った」という声から「いや、まだまだ最強のハブ都市だ」という擁護論まで、様々な意見が飛び交っている。インフルエンサーが「ドバイ在住になりました」と発信するたびに、コメント欄では「現実はどうなの?」という懐疑的な声も増えてきた印象がある。イメージと実態のギャップが、SNSという可視化ツールによって以前より素早く拡散されるようになった。これはドバイに限った話ではないが、「魅せる都市」として存在してきたドバイにとっては、SNSは両刃の剣になってきた。

日本への影響、意外と無関係ではない。「ドバイの話なんて日本に関係ある?」と思うかもしれないが、これが意外と無関係ではない。日本からドバイへの移住・起業を選ぶ人は近年じわじわと増えており、特に「日本の高い法人税・所得税から逃れたい」という層がドバイを拠点にするケースが増えている。もしドバイのビザ規制が厳しくなったり、外国人に対する税制が変化したりすれば、そうした人たちの動向にも影響が出る。また日本企業にとってもドバイは中東・アフリカ・南アジアへのゲートウェイとして重要な拠点で、日系企業の進出も少なくない。ドバイの地政学的・経済的な安定性は、日本のビジネスとも地味につながっている。逆に言えば、日本には「住みやすさ」「安全性」「文化の深さ」という、ドバイとは異なる軸の魅力がある。派手さや税制優遇では勝てないが、「暮らしの質」という点では日本が静かに再評価されている動きもある。

ポジティブとネガティブ、二つのシナリオ。ポジティブなシナリオとして考えられるのは、ドバイが今の批判を受けて自浄作用を発揮し、外国人労働者の待遇改善や法整備を進め、「実態の伴った魅力」を再構築するケースだ。実際に近年、ドバイはエンターテイメントや女性の権利など、従来のイスラム圏の慣習から一定の距離を置く方向にも動いており、変化への柔軟性は持っている。そうなれば「光り物だけの都市」という批判を乗り越えて、より多様な人材と資本を引き寄せるハブとして進化するだろう。一方ネガティブなシナリオとしては、物価高騰と住宅コスト上昇が続き、中間層の外国人には「住みにくい都市」になっていくケースがある。富裕層だけが残り、かつての「誰でも夢を掴める場所」というダイナミズムが失われれば、シンガポールや他の新興都市との競争でジリジリと差をつけられていく可能性もある。

カギは「実態とブランドの一致」にある。今後のポイントはシンプルで、ドバイが「見せ方」ではなく「中身」のアップデートをどこまで本気でやるかにかかっている。SNSで輝いて見えることと、実際に暮らして働いて豊かになれることが一致したとき、ドバイのブランドは再び強固なものになる。逆に、イメージ管理だけに頼り続ければ、情報が自由に流通する現代において化けの皮は必ず剥がれる。ドバイはその分岐点にいる。しかし個人的には、ここまでの国家的意志と実行力を持つ都市が、この程度の逆風で失速するとは思えない。「輝かしいイメージの終わり」というより、「より本物の輝きへの移行期」と見るのが正確な読み方だと思う。

出典:BBC World

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