「反応を知りたい」。トランプ大統領は日本に言及しながら、そう言い放った。3月18日、日本経済新聞が報じたところによると、トランプ大統領はホルムズ海峡の安全保障を「同盟の試金石」と表現し、日本の対応を注視する姿勢を示した。ホルムズ海峡への自衛隊派遣について、政府は法的ハードルの整理に着手した。高市首相は「法的に何ができるか精力的に検討する」と述べたが、外相は「米国からの要請はない」と火消しに走っている。
この話の重さを、日本の日常に翻訳する。今日、レギュラーガソリンの全国平均が190.8円を記録した。現行の調査方法で過去最高だ。半年前は160円台だったから、月の給油代が約1,500円上がっている計算になる。これはホルムズ海峡の通航制限が直接的な原因で、日本が輸入する原油の約9割がこの海峡を経由している。つまりトランプの言う「試金石」は、あなたのガソリン代に直結している。
日本が置かれている状況を整理する。一方にはトランプ大統領がいる。「日本はエネルギーの恩恵を受けているのだから、海峡の安全に貢献すべきだ」という論理だ。他方には憲法9条がある。自衛隊の海外での武力行使には厳しい制約がある。さらにもう一方にはイランがある。日本はイランとの外交パイプを維持してきた数少ない国で、2019年には安倍首相がテヘランを訪問し最高指導者と会談した実績がある。自衛隊を派遣すればイランとの関係が壊れるリスクがある。
国民民主の玉木代表は「自衛隊派遣は困難」と明言した。その理由は法的な制約だけではない。現在のイラン情勢は米・イスラエルとイランの戦争状態であり、そこに自衛隊が入ること自体が参戦と見なされかねない。一方で、日本のタンカーがホルムズ海峡を通れなければ、石油備蓄は約200日分あるとはいえ、長期化すれば経済への打撃は計り知れない。高市首相が「170円台に抑えたい」と表明した石油備蓄の放出は、あくまで時間稼ぎだ。
実はここに、日本外交の「第三の道」がある。イランは現在、友好国の船を選別してホルムズ海峡の通航を許可している。中国は人民元建ての石油取引を条件に8カ国と通航協議を行っている。日本が「軍事力の提供」ではなく「外交仲介」という形で貢献できれば、米国の顔を立てつつイランとの関係も維持できる可能性がある。日本は歴史的にイランと敵対したことがなく、この「どちらとも話ができる」ポジションは他のG7諸国にはない外交資産だ。
ここ数日で、この問題の方向性が決まる。明日のFOMCでパウエル議長がタカ派的な姿勢を示せば円安が加速し、ガソリン200円台が現実味を帯びる。19日には日銀の金融政策決定会合もある。そして高市首相のトランプ大統領との会談日程が迫っている。ガソリンスタンドの電光掲示板の数字は、これら全部の結果として動く。中東の海峡と日本の財布は、思っている以上に近い。
出典:日本経済新聞

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